2005-12-24

愛の水

密教では、拝むとき、坐った席の前に仏具をおく机があって、一面器と言って小さな器をならべて拝みます

真ん中は、香呂、左右は華瓶で花を飾ります

左右に三つづつある器には、水、塗香、花、をいれる事になっていますが、今は樒などで代用します

弘法大師は、「六種供養」を欠かしてはならないと言っていますが、水・塗香・花・焼香・飯食・灯火のことです

うちには、本堂、多宝塔、護摩堂、内仏、御霊殿二カ所とこの一面器が6組もあって、磨いたりの手入れがたいへんですよ

で、この「六種供養」は天台でもするし、東大寺でもやってます
東大寺の大仏殿の大修理の時、一面器を新調しましたが、納品した仏具屋に図面を見せてもらいました
馬鹿でかいもので(馬鹿をつけちゃいかん)
「いずれこれは国宝になりますよ」って言ってたなー



今、家庭の仏壇でやってるけど、仏飯と線香とローソクとお花
これは、お花の水が「水」香りが「塗香」で、あと、花・焼香・飯食・灯火はあるから、これで、いちおう「六種供養」の意味になっているのです

仏教全般、「六種供養」は基本的なもの、と考えることができます



この「六種供養」には、深い意味があります

水・塗香・花・焼香・飯食・灯火を壇・戒・忍・進・禅・慧に配当します

水の壇はサンスクリットのディアーナの音写で、布施の意味で施しあたえること
塗香の戒は、持戒の意味で、悪いことをせず善いことをすること
花の忍は忍者じゃありません、忍辱で、堪え忍ぶこと
焼香の進は精進で努力すること
飯食の禅は禅定で心を落ち着かせること
灯火の慧は智慧で因果の道理をわきまえること

「六種供養」をすることで、壇戒忍進禅慧を仏に供養する、不可思議な意味があるのです



それで、仏壇で普段やってる、線香をつけ、ローソクを燃やし、お仏飯をお供えし、お花を飾るのは、この「六種供養」で、普段の行いを仏さんにささげるという功徳が得られるようになっています

僕的に言えば、普段の行いなのであって、地道に真面目に生きてください


それで、この「水」なのですが閼伽水(アカスイ)といって、最も大事にされているのです
アカとは、サンスクリットで水のことで、そのまんま、です

密教の修行中はこの閼伽水を汲む作法は極めて厳重で、厳粛なものです
回峯行者が九日間断食断水断眠をする「堂入り」も、仏さんにおそなえする閼伽水だけは自分で汲みにいかなければなりません
八日目九日目になったら、介添えの者が助けなければ歩けなくなりますが、水桶だけは自分で担ぎます
壮絶で、直視できませんよ・・・
それだけ、閼伽水が大事にされています

水にまつわる神事や行事はたくさんあります
人体のほとんどが水だとか、宇宙で一番多い分子は水素だとか、いろいろ重要です


六種あるなかで、もっとも重要なのが、水で、壇です
つまり、布施、施しあたえる心

愛、ですよ、愛
お仏壇で、お花の水が「愛」ってまあ・・・、こじつけかも、ですが、深い意味があるってことです

これがなかったら、干からびてしまいます

それで、極略、なんにも無いときは、水だけお供えしてください

お茶はつまり、これに香りがつきます
かわいらしいお花もどうぞ
アロマキャンドルもいいですね

ですけど

愛です

慈悲です

水です

お忘れなく


♪水は方円の器にしたがい、全てに染み渡り潤す♪


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