法華懺悔略文
我および法界の衆生、無始よりこのかた無明に覆われて顛倒迷惑せり。
しかも六根三業の不善により広く十悪四重五逆ないし十重四十八軽を造ること無量無辺にして盡くすことあたわず。
十方の諸仏常に世間に在り法音絶えず妙香充塞し法味空にみち浄光明を放って一切を照触し一切常住の妙理あまねく虚空に満てり。
我無始よりこのかた六根の内に盲しいて三業眠暗にして見ず聞かず覚らず知らず。
この因縁をもって生死に長流し悪道を経歴し百千万劫にも永く出期無し。
経にいわく釈迦牟尼如来を毘盧遮那遍一切処と名づく。
このゆえにまさに知るべし一切の諸法仏法にあらざるなし。
我了せずして無明の流れにしたがう。
これすなわち菩提の中において不清浄を見、解脱の中において纏縛をおこす。
今初めて覚悟し今初めて改悔して大慚愧を生じ大怖畏を生ず。
大乗を誦持し三業を供養し、普賢一切の世尊に帰向し香を焼き華を散じ六根三業の所作を発露して永く相続を断ちてまた更に造らじ。
この因縁をもって我と法界の衆生の三業六根無始の作るところ、現に作り、まさに作り、自ら作り、他に教え、見聞して随喜し、もしくは憶え憶えず、もしくは識る識らず、もしくは疑う疑わず、もしくは覆う覆わず、畢竟清浄ならしめたまえ。
六根 眼耳鼻舌身意
三業 身口意
十悪 殺生、偸盗、邪婬、妄語、綺語、悪口、両舌、貧欲、瞋恚、愚痴
四重罪 殺生・倫盗・邪淫・妄語
五逆罪 父を殺す、母を殺す、阿羅漢を殺す、仏身より血を出す、和合僧を破る
十重四十八軽
十重禁戒
四十八軽戒(しじゅうはちきょうかい)
第一、不敬師長戒
第二、飲酒戒
第三、食肉戒
第四、食五辛戒
第五、不挙教懺戒
第六、住不請法戒
第七、不能遊学戒
第八、背正向邪戒
第九、不瞻病苦戒
第十、畜殺生具戒
第十一、通国使命戒
第十二、悩他販売戒
第十三、無根謗毀戒
第十四、放火損生戒
第十五、法化違宗戒
第十六、貪財惜宝戒
第十七、依勢悪救戒
第十八、虚偽作師戒
第十九、闘諍両頭戒
第二十、不救存亡戒
第二十一、不忍違犯戒
第二十二、慢人軽法戒
第二十三、軽蔑新学戒
第二十四、怖勝順劣戒
第二十五、為主失儀戒
第二十六、領賓違式戒
第二十七、受他別請戒
第二十八、自別請僧戒
第二十九、邪命養身戒
第三十、詐親害生戒
第三十一、不救尊厄戒
第三十二、横取他財戒
第三十三、虚作無義戒
第三十四、退菩提心戒
第三十五、不発願戒
第三十六、不生自要戒
第三十七、故入難処戒
第三十八、坐無次第戒
第三十九、不行利楽戒
第四十、摂化漏失戒
第四十一、悪求弟子戒
第四十二、非処説戒戒
第四十三、故違聖禁戒
第四十四、不重経律戒
第四十五、不化有情戒
第四十六、説法乖儀戒
第四十七、非法立制戒
第四十八、自破内法戒
しかも六根三業の不善により広く十悪四重五逆ないし十重四十八軽を造ること無量無辺にして盡くすことあたわず。
十方の諸仏常に世間に在り法音絶えず妙香充塞し法味空にみち浄光明を放って一切を照触し一切常住の妙理あまねく虚空に満てり。
我無始よりこのかた六根の内に盲しいて三業眠暗にして見ず聞かず覚らず知らず。
この因縁をもって生死に長流し悪道を経歴し百千万劫にも永く出期無し。
経にいわく釈迦牟尼如来を毘盧遮那遍一切処と名づく。
このゆえにまさに知るべし一切の諸法仏法にあらざるなし。
我了せずして無明の流れにしたがう。
これすなわち菩提の中において不清浄を見、解脱の中において纏縛をおこす。
今初めて覚悟し今初めて改悔して大慚愧を生じ大怖畏を生ず。
大乗を誦持し三業を供養し、普賢一切の世尊に帰向し香を焼き華を散じ六根三業の所作を発露して永く相続を断ちてまた更に造らじ。
この因縁をもって我と法界の衆生の三業六根無始の作るところ、現に作り、まさに作り、自ら作り、他に教え、見聞して随喜し、もしくは憶え憶えず、もしくは識る識らず、もしくは疑う疑わず、もしくは覆う覆わず、畢竟清浄ならしめたまえ。
訳
我とすべての意識ある者達は、因果応報と仏の救いを知らず、数限りない悪業を造りつづけた
しかし、十方の諸仏は常に浄光明を放ち輝きすべてを照らし続けている
我とすべての意識ある者達は、自我のなかに閉じこもり、浄光明の輝きを知らず、永く輪廻転生をつづけている
無量義経に「釈尊を、全てに行き渡る光明と名づける」と説かれている
故に宇宙の森羅万象は仏の顕現である
我とすべての意識ある者達は、それを知らずに輪廻を繰り返し
浄光明のなかにいるのに不浄を見、すでに解放されているのに束縛を感じている
今はじめてそれに気づき、懺悔の心を起こし、畏怖の心を起こす
大乗経典を読誦し、仏を様々に供養し、過去の悪業を告白して今後さらに造らない
この懺悔によって、我とすべての意識ある者達の、全ての悪業を清浄ならしめたまえ
六根 眼耳鼻舌身意
三業 身口意
十悪 殺生、偸盗、邪婬、妄語、綺語、悪口、両舌、貧欲、瞋恚、愚痴
四重罪 殺生・倫盗・邪淫・妄語
五逆罪 父を殺す、母を殺す、阿羅漢を殺す、仏身より血を出す、和合僧を破る
十重四十八軽
十重禁戒
- 第一、快意殺生戒。汝、仏子、自ら殺し人をして殺させてはならない。菩薩は慈悲心をおこして一切衆生を救うべし。しかるに自らほしいままなる心、快き心をもって殺生するは菩薩の波羅夷罪(はらいざい。極重罪)なり。
- 第二、劫盗人物戒。汝、仏子、一針一草にいたるまで、みずから盗み、人をして盗ませてはならない。菩薩は一切の人を助けて福を生じ楽を生ぜしむべし。しかるに人の財物を盗むは、菩薩の波羅夷罪なり。
- 第三、無慈行欲戒。汝、仏子、自ら婬し人をして婬をさせてはならない。菩薩は一切衆生を救い浄法を人に与うべし。しかるに人の婬を起こさしめ、婬を行じて慈悲心なきは、菩薩の波羅夷罪なり。
- 第四、故心妄語戒。汝、仏子、自ら妄語し人をして妄語させてはならない。菩薩はつねに正語正見を生じ、また一切衆生の正語正見を生ぜしむべし。しかるに一切衆生の邪語・邪見・邪業を起こさせるは、菩薩の波羅夷罪なり。
- 第五、売酒生罪戒。汝、仏子、自ら酒を売り人をして売らせてはならない。酒は罪を起こす因縁なり。菩薩は一切衆生の智慧を生ぜしむべし。しかるに一切衆生の顛倒の心を生ずるは、菩薩の波羅夷罪なり。
- 第六、談他過失戒。汝、仏子、自ら出家在家の菩薩、比丘比丘尼の罪過をみずから説き人をして説かせてはならない。菩薩は人を教化し大乗の善信を生ぜしむべし。しかるに、自ら仏法中の罪過を説くは菩薩の波羅夷罪なり。
- 第七、自讃毀他戒。汝、仏子、自らをほめ他をそしる事を、みずからしてはならないし人にさせてもならない。菩薩は悪事を自分が受け、好事を人に与うべし。おのれが徳を挙げ、他人の好事を隠してそしりを受けさせるは、菩薩の波羅夷罪なり
- 第八、慳生毀辱戒。汝、仏子、自ら惜しみ、人をして惜しませてはならない。菩薩は人の来たって乞うを見ては一切を与うべし。しかるに、悪心や怒りの心をもって一銭・一針・一草をも施さず、一句・一偈・一微塵の法も説かず、更にののしり侮辱するは菩薩の波羅夷罪なり。
- 第九、瞋不受謝戒。汝、仏子、自ら怒り人をして怒らせてはならない。菩薩は善根無諍(むじょう。争いの無いこと)の事を生ぜしむべし。しかるに、人の悔い改めて謝罪してもなお怒って解けざるは、菩薩の波羅夷罪なり。
- 第十、毀謗三宝戒。自ら三宝をそしり、人をしてそしらせてはならない。菩薩は一言の仏をそしる声を聞けば、三百の剣をもって胸を刺すがごとくあるべし。しかるに邪見の人を助けて三宝をそしるは、菩薩の波羅夷罪なり。
四十八軽戒(しじゅうはちきょうかい)
第一、不敬師長戒
第二、飲酒戒
第三、食肉戒
第四、食五辛戒
第五、不挙教懺戒
第六、住不請法戒
第七、不能遊学戒
第八、背正向邪戒
第九、不瞻病苦戒
第十、畜殺生具戒
第十一、通国使命戒
第十二、悩他販売戒
第十三、無根謗毀戒
第十四、放火損生戒
第十五、法化違宗戒
第十六、貪財惜宝戒
第十七、依勢悪救戒
第十八、虚偽作師戒
第十九、闘諍両頭戒
第二十、不救存亡戒
第二十一、不忍違犯戒
第二十二、慢人軽法戒
第二十三、軽蔑新学戒
第二十四、怖勝順劣戒
第二十五、為主失儀戒
第二十六、領賓違式戒
第二十七、受他別請戒
第二十八、自別請僧戒
第二十九、邪命養身戒
第三十、詐親害生戒
第三十一、不救尊厄戒
第三十二、横取他財戒
第三十三、虚作無義戒
第三十四、退菩提心戒
第三十五、不発願戒
第三十六、不生自要戒
第三十七、故入難処戒
第三十八、坐無次第戒
第三十九、不行利楽戒
第四十、摂化漏失戒
第四十一、悪求弟子戒
第四十二、非処説戒戒
第四十三、故違聖禁戒
第四十四、不重経律戒
第四十五、不化有情戒
第四十六、説法乖儀戒
第四十七、非法立制戒
第四十八、自破内法戒
0 件のコメント:
コメントを投稿
この投稿へのリンク:
リンクを作成
<< ホーム