長保寺に各宗派の方を受け入れる理由

長保寺は平安時代の長保2年(1000)に一条天皇の勅願で年号をいただいて始まりました。古文書によればその後、法相、天台と宗派が替わり、鎌倉時代に真言宗となりました。江戸時代に紀州徳川家の菩提寺となる時に天台宗となり現在に至っています。

長保寺は元々皇室によって建立された国立の施設で、全ての方を受け入れるべく計画されています。檀家の方が、ご自分達の先祖の為に建立した寺とは成り立ちが違います。

また、ご承知のとおり天台宗の本山である比叡山では、臨済宗の祖栄西、曹洞宗の祖道元、浄土宗の祖法然、浄土真宗の祖親鸞、日蓮宗の祖日蓮、等各宗の祖師方が学ばれました。
長保寺は現在天台宗ですから、これらの宗派の方を受け入れるのになんの不都合もありません。
長保寺に現在残されている国宝建造物は、すべて長保寺が真言宗の時代に建てられました。長保寺は真言宗のお方を受け入れるのにもなんら不都合はありません。

仏教はインドの地に始まり、現在世界中で信仰されている世界宗教です。人種・国籍を問わず全ての人を受け入れるのは当然のことです。


檀家になることをお考えの方に

檀家であってもなくても、長保寺から見れば、全て信徒です。長保寺は門戸を開いておりますので、この信徒と檀家を区別して扱うということは出来ません。檀家の積む功徳も、信徒が積む功徳も同じ意味があるということです。

違いを言えば、檀家の方は長保寺の経営に参加していただき、檀家でない方は長保寺を必要とするときだけお呼びいただくということです。
檀家の方は、必要であるとお感じのときに随時助言をしていただき、ご自分の意見を長保寺の経営に反映していただきます。

檀家制度は日本独特のもののようです。これは、日本社会の美風であり、今日の日本社会の安定と発展の基礎になっていると思います。檀家であることももちろん大事ですが、その前提に、信仰のある信徒でなければなりません。
長保寺の檀家になることをご希望の方は、先ず立派な仏教の信徒になってください。必要だとお感じの時は、長保寺をご支援ください。そして、必要な時に、私をお呼びください。
長保寺の本尊はお釈迦様です。お釈迦様を拠り所にして、生活してください。それが、長保寺を創建した一条天皇の願いであり、初代藩主の南龍公の願いであり、私の願いであります。

 

 

 

南龍公遺言状(初代藩主 頼宣)

吾可必以天台宗葬葬儀有。

輕重只於本寺可従其輕以營之。

是無他以興南光大僧正有舊約也。

若有欲問吾後者則八宗九宗各可
以其宗旨之所志焼香捧花。

吾皆可受其弔也。

諸人宜承知之勾以違背焉


年月日  源 頼 宣 (花押)

 

遺言には

天台宗において葬儀をすること

軽重のうちでは軽で(簡素な)葬儀をすること

これは南光大僧正(天海)との約束であること

どのような宗旨でも、その志す方法で参拝すればよいこと

その弔意を受けること

この遺言に違背してはならないこと

が、書かれています
寛大で融和的な考え方ですが、今日のイスラムやキリスト教などや、一部の排他的宗教からは、かけ離れた考え方でもあります
つまり、この考え方が、天海僧正の考え方であり、家康の薫陶を受けた南龍公、そして紀州徳川家の考え方の基礎になっているのです
長保寺は、この魂を受け継いで、皆様を受け入れているのです

 

 

 

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