お釈迦様が悟りを開いたときに食べた食事

 

スジャータストウーパ

お釈迦様が、悟りを開く直前に、何を食べたかという話です
考えようによっては、重要な問題です

これは、ご承知の方も多いと思いますが、6年苦行したお釈迦様がスジャータという娘の献上した乳粥を食べてから尼連禅河のほとりの菩提樹の下に座し禅定に入り、悟りを開いたのです

この乳粥ですが
短粒米です
今現在は、インドを始め東南アジアで広く食べられている米は長粒米ですが、お釈迦様当時の遺跡からは短粒米が発掘されているので、当時は短粒米が食べられていたことが確認できます
現在でもインドにはキールという甘い乳粥のお菓子があります
また、ヨーロッパ諸国にもライスプディング(ミルヒライス)という、短粒米を使う同種のお菓子があります(短粒米の粘り気が食感をよくするということらしいです)
ただ、不思議なことに、仏教国の日本には、乳粥を食べる習慣は、無いですね
これは、日本仏教では、牛乳が精進料理とみなされていなかったせいだと思われます
日本の仏教寺院で修行中に牛乳を飲むところはありません
というか、どこの仏教国でも修行中には牛乳は飲みません

さて、精進料理で、一切の肉魚を食べず、牛乳も飲まないとなると、栄養学的には深刻な問題が起きます
ビタミンB12は、動物性の食物でないと、ほぼ含まれていないのです
(ごく微量、海苔に含まれています)

wikipediaを引用させていただきますが
B12不足になると

「欠乏が進行すると貧血症状を起こすことがあるが、欠乏が軽度の場合は現れない。脾腫および肝腫大が生じる。希に舌炎。

消化管症状は食欲不振、便秘、および限局性に乏しい腹痛。

神経症状は、思考力の低下やうつ病、興奮、情緒不安定(イライラ)などの性格の変化がある。 痺れ、反射の変化、味覚症害、 心機能低下生殖率低下などがある[3]。子供にみられる症状は成長障害、 発達障害運動障害などがある[6]。早期に治療されなかった場合、生涯的な症状障害になりえる[10]

小児の場合、脳発達障害や成長障害」

ということですので、完璧な精進料理を続けていると、B12不足から病気になってしまいます
最近の研究ではB12は5,6年は体に蓄積された分量で足りるらしいですが、これ、お釈迦様が6年苦行して、一切肉魚乳を口にしなくても、6年目に乳粥を食べればB12が間に合う計算になります
まさに絶妙です

なので、仏教修行道場では、「乳粥を真似ろ」とまでは言いませんが、牛乳を飲むのはいいのではないかという理屈になりますね
人間は、哺乳類ですから、赤ん坊は乳しか飲まずに育つわけで、お釈迦様も自然に乳粥を食べていますし、禁止する理由は無いように思いますよ


それで、この写真ですが、最近B12が含まれているカイワレが開発されました
何気に、画期的です
これは、近所のスーパーで見つけました
価格は、普通のカイワレと同じでした
まあ、これを食べれば、牛乳を飲まずに、精進料理は成立しますね

それで、ここからが、皆様の知らない話です

お釈迦様に乳粥を献上したのはスジャータという娘なのですが
今でも、スジャータ村として、住んでいたところが残っています
で、行ってみて初めて分かったのですが
このスジャータ村は、尼連禅河をはさんだ対岸にあります

https://www.google.co.jp/maps/@24.6936312,84.9961394,1898m/data=!3m1!1e3?hl=ja(ここをクリックすると大きな地図でごらんになれます)

実は、これが「橋のない川」でスジャータ村は川の中州のような場所にあって、かなり迂回しなければ車では行けません
ここは、現在でも、低いカーストの人たちが暮らす場所です
お釈迦様が悟りを開いた12月は乾季で、水量の少ない時期でしたので、歩いて渡れたのです

現在のインドにも差別はあるのですが、お釈迦様当時のインド社会も差別がひどかったと想像されます
スジャータは、低カーストの、しかも女の子です
そのスジャータの乳粥供養を受けて、お釈迦様は悟りを開いたのです
仏教は、最初から、身分、性別、年齢などにこだわらなかった、ということになりませんか