第5章 資料

第1節 発見物銘文

1 瓦銘

(1)大棟鬼瓦刻銘(東側)
    明治□□竹村瓦や 利兵衛 瓦細具仕候

(2)同     (西側)
    道具細工               明治三  瓦一切
      泉州信達幡代□かわら師      年□月  □利兵衛

 桟唐戸の形式変更については、現状変更の項で述べたので省略するが、背面中央間と東側面前端間の当初材は修理して再用したが、正面中央間の向って左の古い扉は、右脇の間の同勝手の扉に移して古い扉を一対にして修理した。正面中央間と向って左脇の間に残されていた中古の扉各1枚は保存し、西側面の間の当初の扉は風化が甚しいので、ともに床下に保存した。
 柱間の真壁は側面の間が不良であったので、今回、木舞下地よりやり直したが、間柱、壁貫とも大正の材で、柱向い合わせ面に辺付(見付2.7p、厚3.6p)を打ち、内法間に3枚の壁貫(巾2.5p、厚2.1p)を入れ、間柱は中央に巾11.8p、厚3.0pの材を外方鎬にとり、この両脇に各2本の縦貫巾(7.0p、厚1.5p)を壁貫に釘打にとめている。壁貫の外面に木舞竹を掻きつけ、間渡竹の両端は辺付、半長押などの巣立穴に差込み、貫当りは釘打にとめていた。
 壁は大正の施工であるが、荒壁付、裏返しをしたのち、斑直し厚1.2pとし、大直しの前後に棕梠皮を塗り込め、中塗り厚1.2pの上に漆喰中塗り、同上塗りの順に塗られていた。

               若 七
(3)西南隅 二の鬼刻銘
    方瓦利 造之
    明治三年三月

(4)東南隅一の鬼及び東北隅一、二の鬼
    明治三午弥生月
    方瓦利 造之

(5)向拝留蓋瓦  (東側)
    明治三年三月
    竹村利兵衛仕

(6)向拝留蓋瓦 (西側)
    明治三午三月
    いずみ信達若七

2 小屋内にある棟札
(1)本堂棟札 (縦・767m 巾・140m)

(2)鎮守堂(旧八幡社)棟札 (縦・770m 巾・155m)

(3)同前 (縦・924m 巾・188m)