リーマンショック後、しばらく世界経済は暗中模索の状態が続きましたが、そろそろ今後のシナリオが見えてきたように思います
先ず、最も重要なことは、ユーロは基軸通貨にならない、ということです
アメリカはだめだ、に始まり、次の基軸通過はユーロだ、産油国はユーロの決済を始めた、各国が独自通貨で決済をする、等々、様々な可能性が取りざたされましたが、ユーロを信用する国はもはや無い、で決着です
ギリシャ問題のなかで、ドイツはギリシャを助けないことがはっきりしました
今後いろいろな展開があるのでしょうが、ユーロには腐ったリンゴが混じっていて、しかも、団結してユーロを強くする意思がないことがわかってしまいました
そこのところから、順次、整理整頓され、世界の経済は、行くところに行くということです
いまままでは、アメリカが世界の消費を引き受けていました
それは、返すあてのない住宅ローンを、住宅が値上がりすることを前提に借りて、その住宅をこんどは担保にして金を借りて物を買うという、とんでもない強欲な消費が世界経済を牽引していました
日本だけでなく中国や、世界の国々がアメリカに物を売って稼いでいましたが、もとをただせばアメリカ人が借金で買っていたわけで、リーマンショックで終わりました
その、消えるべくして消えた消費なのですが、結局はこんどは、景気を各国の内需拡大で支えるしかありません
選択肢は無いのです
これが、二番目に重要なことです
アメリカの金融工学で積み上がった膨大なドルが、好むと好まざるとにかかわらず、基軸通貨にならざるをえません
他に、決済に使える通貨がないのです
その時、天文学的な桁になっているドルの担保は、いったいなんでしょうか
もはやゴールドではありません
ドルの担保になるほどの分量がないのです
では、なにが担保かと言えば、それは、核兵器ではないでしょうか
核武装していれば、なにを言っても逆らえません
金を貸しても取りはぐれがありません
今となっては、最終的な通貨の担保は核兵器しかありません
これが三番目です
だから、日本の円は基軸通貨にはなりえません
これから核武装しようという国は、いきなり核の先制攻撃をうけても、即座に反撃できるだけの核兵器を、最初から準備しなければなりません
核武装するぞ–>それなら、核を30発撃ち込むぞ–>やるならやれ、100発打ち返すぞ
これができないなら、核武装はできません
つまり、アメリカやロシアが1500発も核兵器を持っている世界で、これから核武装することは不可能なのです
コンピューターの中に膨大に積み上がった通貨を担保できるのは核武装した国だけですから、アメリカのドルが最有力にならざるをえません
ユーロは一枚岩にならずギリシャをIMFが支援し、胡錦濤がアメリカにいる時、元の値上げの話題が出(基軸通貨はドル)
G7がG20に拡大し(世界の内需が景気を牽引)
メドベージェフが、オバマの待つプラハに出てきて戦略核の調印をしたのは、決して偶然ではないのです(アメリカの核兵器が通貨の担保)
そこから発想していくしかありません
状況を選べないのです
GDPを拡大するには、政府支出を拡大するか、民間支出を拡大するか、輸出を拡大するか、いずれかしかありません
拡大にともなって、通貨の量も増やさなければなりません
世界のどの国も、もうアメリカが物を買ってくれる時代は終わったのですから、政府か民間の支出を拡大するしかありません
日本の場合は、政府支出を拡大するしかないと思えるのですけどね
また、日本も通貨の量を増やさなければ、アメリカの有り余るドルと釣り合いがとれないのではないでしょうか
普天間の決着も、一皮むけたアメリカと付き合っていくことを忘れてはなりません
日米同盟が存在し、米軍基地があることは、むしろ、アドバンテージではないですか
世界経済を担保する国はアメリカしかないのですから
アジアの経済成長は、するかしないかではなくて、アジアが成長しなければ、世界は真っ逆さまの不景気になってしまうのです
アメリカが物を買う時代が終わったからです
中国14億、インド12億、インドネシア2億、それに資源大国オーストラリアなど、アジアにはこれから伸びる巨大な新興国があります
そのアジアの新興マーケットに地理的に一番近いのが日本です
日本には大きなビジネスチャンスがあるのではないですか
坂本竜馬が活躍し、明治政府ができたのが1868年
それまで日本人はちょんまげを結って暮らしていたのです
そこから、たったの80年で、ゼロ戦を空母に積んで太平洋を渡り、アメリカ太平洋艦隊を全滅させ、ついには負けたのですが
原爆を二つも落とされて、東京や大阪は廃墟になり、そこから立ち上がって東京オリンピックまでが、たったの20年です
そして今では、不動の経済大国です
そんな国は、世界で日本だけです
日本の未来を悲観するほうがどうかしてるとしか思えませんね
人口が減るのを心配するのもごもっともですが、明治の初めの人口は3500万人位ですよ
これで、日清日ロ戦争を勝ったんです
エネルギーも食料も、技術でカバーできる時代です
国の借金を心配する人もいますが、日本では、国の借金は裏返せば国民の貯金ですから、日銀が札を印刷して国債を買い取れば、すぐにチャラになります
そんなことをすればインフレになると叫ぶのかもしれませんが、30年前の大卒初任給は7万円位ですよ、今は20万円位
それが、この先40万円になっても、どうということはないでしょう
なんとかすることは、出来ます
楽観もしませんが、悲観する必要もないと思いますよ