そろそろ一年も終わりますので、来年のことなど考えてみます
今年は、2月に、インド・ネパール・タイ、先日は中国福建省と、海外に行く機会があったのですが、リーマンショック以来の世界情勢の激変期にちょうどいい見聞をさせてもらったと思います
世界の変化のスピードに加速度がついてきた
これは、たとえばインドには平成4年から6回行っていますが、今回初めて走っているインド人を見ました
中国は鄧小平以来、経済の開放が進んで、いまやバブル真っ盛りになりましたが、いよいよ、それにインドも参戦します
ブラジルは中国以上のバブルで、ワールドカップもオリンピックもこれからですから、どう考えても、世界経済の変化は加速するとしか考えられませんリーマンショックの対処療法でアメリカのFRBとユーロのECBがしたことは、お金の増刷です
その、ジャブジャブになったお金が新興国に注ぎ込まれて、まあ、乾天の慈雨であるのだろうと思いますが、遅れていたインフラ整備を促進し、GDPが成長して経済活動が活性化し、そこから派生して国力の増強にも繋がっています
アメリカとヨーロッパの低金利は、まだまだ続きますから、当分、世界経済はお金のダブつく状況が続き、変化のスピードが衰えることはありませんね
ユーロは分裂しないでしょう
ギリシャから始まり、アイルランド、そしてスペインと、ユーロの信用危機はどんどん連鎖しています
財政破綻した国はユーロを離脱すれば、自国で通貨を印刷できて、つまり、お金の水増しを好きなように行えますから大きなメリットがあるのですが、ユーロの巨大経済圏に止まる方がメリットが大きいのでしょう
ドイツは、でたらめな経済運営をする国の面倒をみる格好になりますが、とどのつまり、ユーロ安が自国の貿易にメリットをもたらすのです
仲が悪いまま、呉越同舟であっても、ユーロをぶっ壊すことから今以上のメリットは生まれないでしょう
中国は矛盾を抱えた巨大国家で有り続けるでしょう
今、中国はバブル経済に湧いていますが、一人当たりの所得は、日本の10分の1くらいです
それを、沿岸部の住人と共産党幹部で独占して、人口にすれば7500万人くらいが富裕層となっています
取り残された人達は、政治的にも個人的にも、自由が無く、低所得のままです
当然、この格差から大きな軋轢、矛盾、不安定が生まれることになります中国のGDPの45%は輸出で稼いでいます
日本の場合は17%です
単純に、自国の通貨高の影響は、中国は日本の3倍あることになります
元高圧力は益々高まり、もはや中国に味方する国はありません
アメリカもヨーロッパも内需拡大を目指していて、中国製品を気前よく買う時代は終わりました
となると、中国も内需拡大をしなければならいのですが、どうでしょうか、ほとんど不動産バブルの投機マネーで、9割を占める大衆はまだまだ低所得の状況で物を買う力に乏しく、道は極めて困難と言わざるを得ません中国でガソリン価格は70円くらいで、ロシアから輸入して比較的安定しているようですが、それでも14億人分はないのです
特に電気は、インフラ整備に時間がかかり、慢性的に不足しています
原発を建設したとして、日本で今、50基ほど原発がありますから、同程度の比率で整備するなら中国には500基の原発が必要ということになります内陸部の乾燥が進み、沿岸部でさえも、日本に比べると乾燥しているのがわかります
砂漠化と水不足が、どんどん進むでしょうたとえば、国が分裂しても、共産党が解体しても、これらの現実が変わって、新たな冨が生み出されるわけではないのです
分裂してメリットがあるなら分裂もありえますが、どうでしょう
中国国内の暴動は、一説では年間2万件とも言われますが、巨大な不満を抑え込んで、曲がりなりにも国を統一し続けるには共産党の強権が必要なのではないでしょうか中国は、今のところ、軍事力を信奉して、強面の国際政治をしていますが、本当のところ、他国から嫌われている場合じゃないと思いますよ
ちゃぶ台返しをして、やっと辿り着いた繁栄をチャラにするゆとりはありません
領土問題をあちこちで起こしていますが、こちらが毅然としていればすむことです
日本は、ぼんやりしていると、益々ショボクなる
まあ、世界の他の国々と比較すれば、日本はまだよくやっているほうなのです
それでも、相対的な国力は、新興国に追い上げられていますそれを、事なかれ主義の守りで維持できるのか?
財政規律などと言って、小さくまとまっていて乗り切れるのか?
憲法9条、武器輸出三原則、非核三原則などにしがみついていて安全が守れるのか?
明治維新以来の、西洋崇拝とセットになった減点主義を捨て、創意工夫を自前でする得点主義に乗り換える必要があるのではないか?
日本人の「こだわり」「誇り」は、他国とどう違うのか?などなど
ま、考え方を変えればなんとかなることばかりですから、僕は、楽観的です
考え方、つまり、心の問題です「衣食足りて礼節を知る」と言いますが、日本人はより高度な問題を、どうしても解決しなければならないところに来ているということでしょう
世界中の人々が、分け隔てなく安全で繁栄するには、エネルギー供給技術のブレークスルーが必要だと考えてます
たとえば、太陽光発電の超高効率化とか、水素の超高速合成菌とか
それまでは、資源限界が人類繁栄の限界であり、資源争奪は不可避で、安全は脅かされ続けるということです
慈善事業が必要無くなるのが理想なのですよ
いずれ、なんとかなるんじゃないかと、僕は思ってますよ