地蔵菩薩立像

木像地蔵菩薩立像 江戸初期
紀州徳川家初代藩主頼宣(よりのぶ)によって奉納された地蔵菩薩です
頼宣は特に、南龍公と呼ばれているのをご存じの方も多いと思います
この像は、南龍公が亡くなったお子さんの菩提を祈る為に造った像です
特に秘仏ではありませんが、紀州徳川家の藩主ご家族様だけが礼拝供養してきた仏像です
南龍公には、6人のお子さんがありました
長男は、2代藩主、光貞(みつさだ)
茶々姫 
松姫
 修理 早世
 萬姫 早世
頼純(よりずみ)西条徳川家初代藩主
6人のお子さんのうち、お二人が早世されています
歴代藩主の過去帳を見ると、必ず、お子さんを亡くされています
近代医学が普及するまでは、身分や富貴に関係なく、子供が亡くなっていったのです
大名も、百姓もないのです
大名家では、跡継ぎがなければ、藩が取りつぶされてしまいます
まして、徳川家がなくなれば、戦国時代に後戻りしかねません
子供が無事生まれるように、健やかに育つように、願う気持ちは、人一倍強かったでしょう
紀州徳川家の、強い祈りが込められた地蔵菩薩だといえるかもしれませんね