大門の比較

長保寺 大門 1388 国宝

奈良 喜光寺 南大門 2010新築
喜光寺の南大門は、長保寺の大門とほぼ大きさが同じなので、建てる前に長保寺に見学に来ました(テレビの「ガイアの夜明け」で紹介されました)
今回の国宝修理の施工会社は金剛組ですが、たまたま、喜光寺の施工も金剛組です
軒の張り出しを観察するとわかりますが、長保寺のほうが軒が大きく張り出しています
喜光寺の設計をしてみたら、構造上、長保寺のように軒を大きく張り出すには無理があることがわかりました
そのため喜光寺の南大門の軒は、長保寺に比べれば、張り出し方が少なめに建てられました
今回の長保寺大門の修理では、重さで垂れてきている軒先をいくぶんか持ち上げましたが、長い年月で、木そのものが曲がってきているため、完全に元通りにはなっていません
それでも、強度よりも美観を優先した意匠の長保寺の大門は、無理をしつつも600年以上、風雪に耐えているのですから、まあ、たいしたものなんでしょう
長保寺の大門には、鎌倉時代の、遠慮の無い、思い切った気風が感じられますね