僕が、中国バブルの崩壊を甘く見ているんじゃないかという、ご心配もあるようなので、もうちょっと考えてみましょう
中国は、米国債のうちの2割ほどをもっていて、世界2位の保有量です
ちなみに、最近日本が1位になりました
中国が、この米国債を一気に売れば、アメリカ崩壊だという理論があるようなのですが
そもそも、アメリカには有事に米国債を無効にできる、ズルい法律があるわけで、敵対的な売却はできません
また、売るにしても、そこには買い手が必要で、いったい誰が150兆円分のドルを懐から出すのでしょうか
そして、米国債を売ったら、代金はドルですから、金利のつかないドルとして貯めこむか、使うかしかないわけで、そこは、ドルの管理はアメリカがしてるわけです
アメリカ崩壊に向けた米国債の大量売却戦略は、難しいなぁ、というところですね
さて、上海株の暴落が、様々な懸念を産んでいるわけですが
そもそも、世界の株価の時価総額のうち、中国の時価総額は3%位です
金額そのものは巨大ですが、中国株の世界経済へのインパクトは、合理的に冷静に対処すれば、軽微と言わざるを得ません
中国国内では、バブル崩壊を政敵の追い落としキャンペーンに利用するとかあるようですし、未曾有の混乱状態にならないという保証はありません
ただ、今回の上海株の暴落にあたって、それなりに迅速な対応をとって、とりあえずの小康状態にしたわけですから、この先、不動産バブルが崩壊しても、普通の国ではありえないような徹底した対処をして、傷を最小限にしてしまう可能性を否定することはできません
僕自身、中国には何回も行って感じるのですが
中国人の不屈のエネルギーで、これからの長いバブル崩壊の過程を飲み込んで行くと思います
中国共産党の内政の様々な問題や、周辺国との摩擦は、中国共産党の統治が続く限り、解消しないでしょう
中国人自身が、世界と協調したほうが得だということを徐々に自覚していくように働きかける、ということしかできないでしょう