日本の活路

リーマンショックがあって、アメリカが世界経済を牽引する構造はあてにならなくなった

日本の特に製造業は、アメリカが一番のお得意様で、自動車でも家電でも、どんどん買ってくれたので、今まではそれで大もうけできた

結局、アメリカは借金で買い物をしていたわけで、来るべきものが来た

それで、日本の製造業が、輸出でもうける図式は成り立たなくなってしまった
特に、今は、新興国の低賃金労働との競争にまともにさらされていて、派遣村の人たちは、つまり、バングラディシュの日当240円の人たちと競っていることになり、勝ち目は無い

イギリス式に製造業を捨てて金融立国を目指そうという考えかたもあったが、そもそも金融システムの信用が、「借金の証券化」などというとんでもない仕掛けのおかげで失われてしまったおかげで、つぶれてしまった

日本の製造業は、高コスト
コストを減らすには、賃金を下げるか、人を減らすか、機械による省力化か、いずれにしても、人件費の削減は避けて通れない

ここで、選択肢は3つあり
1、アメリカ式に、貧富の差を作り、金持ちは徹底して金持ち、貧乏人はほったらかし、金持ちになりたければ自己責任で勝手にどうぞの国
2、日本式の、大企業が生き残り、中小企業は淘汰、あぶれた人は派遣村、という国
3、北欧式の、高福祉高負担

1、中国などがどうも目指しているようですが、もともと奴隷制のあった国だからできることで、スラム街があっても平気でないと無理、日本人のような家族主義の国には無理
2、派遣村や格差社会など、やさしい日本人には耐えられない、格差はいずれ固定化してコジキ階級が生まれるが、とてもじゃないが無理です
3、これは、人口が少なくて管理が徹底できる国でないと無理、国を信用して税金50%とられ、国を信用してそれを分配してもらうことになるけど、国民年金の迷走をみれば、日本のスケールでは無理なのがわかる

ということで、人件費を削減して製造業が生き残るのは、無理ではないかという結論
ドイツの製造業は、なんとかやれてますが、あれは東ドイツという低賃金地帯と合併したからで、まあ、今のところはやれている

金融立国で成功した国はない
アメリカ、イギリス、アイルランドは破綻
ベルギー、ルクセンブルグは小国なので参考にならず

製造業の生き残りも、金融立国も無理という結論
じゃ、どうするの、ということなのですが

海外展開という選択肢なのですよ

海外で作って海外へ売る、海外で作って日本へ売る、日本で他で作れないものを作って海外へ売る
作るのは物に限らず、サービスや仕組みも

少子化対策も、移民を受け入れるのではなく、海外で外国人を雇用して管理職にする
つまり、3K労働を外注する仕組みを作るほうが、移民受け入れよりも負担が少ない

福祉や少子化対策など、参考になる事例が海外にあるけれど、いずれにせよ、日本に合わせるよう作り直さないと機能しない
たとえば、介護保険は、日本人の発明品で、海外からどうなるか注目されてる

日本人が今、生きていくには、エネルギーや食料を、とにかく外国から買うしかない
そのためには、外貨を稼ぐ必要がある
資源のある国なら、石油でも鉄鉱石でもトウモロコシでも売ってれば成り立つかもしれないが、日本は物を外国から買う金を、働いて稼ぐしかない
外国から借金をする方法もあるが、時間の問題で破綻する
エネルギーと食料の自給率を高めるのが正攻法だけど、時間がかかる

だから、海外展開が、残された選択肢、つまり、活路ということです
その姿がおぼろげに見えてきたのが2009年だったということではないですか

それが、この先どうなるかは、これからの問題で
前代未聞の生き様を、日本人が、辛いけれど、あーだこーだと議論しながらやっていくしかない
日本的な、細かい気配り、思いやり、が益々重要になる

追伸
だから僕は、江戸趣味(縮小均衡)も明治維新回顧(外国を手本にする)も違うと思ってます
だれも知らない世界が、これから始まるのですから