2010/04/22

続 これからの世界

霊鷲山香室からの夕日 2010.2.18

霊鷲山は参拝客で大変に混雑しています
学生の遠足やタイなどからの団体客で、日の出前から賑わっています
事前に聞いていたので、一番空いている時間帯の日没頃を選んで参拝しましたが、ご覧のとおりです
参拝する場所取りで必死でした

様変わりしました
10年ほど前は、山賊が出るようなところだったのです




さて、表題の件ですが
ちょっと補足しておきたくなりました

基軸通貨はドル
世界の内需が景気を牽引
アメリカの核兵器が通貨の担保

なのですが、それがどういう世界をもたらすのか、ということです

結論から言うと

ドルキャリーによる、世界バブル

日本はバブル以後、景気回復が思うようにいかず、超低金利政策がずっとつづいています
デフレが進行して、どうしたら脱出できるか見えてきません

低金利政策を、アメリカでもせざるを得なくなりました
儲けを出すことの出来る企業はあるのでしょうが、アメリカ社会全体で見れば、銀行倒産がつづき、失業率も高いままです
景気刺激策として、低金利をつづけるしかありません
それがいつまで続くかは、日本を例にして考えれば、簡単には終わらないことが予想されます

円とは比較にならない量のドルを、低金利で手に入れることができる世界になってしまいました
ドルを売って、金利の高い通貨を買えば、なにもせずに自動的に、儲かります
そのドルを、印刷して増やしている、としたらどうなります?
ドルは核兵器で守られていますから、文句は言えないのです

低金利のドルを売って、世界中の通貨を手に入れ、それを不動産や債権、株に投資する
桁違いに多いドルでそれをするとどうなるか?
世界中がバブルになる、のではないか、という読みです
実は、金融界では、このことはもはや常識です

世界のリート(不動産債権)、外債、また、それらを組み込んだ投資信託などの利回りをちょっとお調べになればおわかりになることですが、10%などというのは、あたりまえにいくらでもあります
新興国の株価が相対的に上がりやすいのもおわかり頂けると思います
もちろん、相場ですからリスクはあります
しかし、アメリカの低金利が終わるまでは、かなり低いリスクだと言わざるを得ません


物事には、功罪があります

世界バブルは、一面、新興国に冨をもたらし、産業の起爆剤になり得ます
もう一面では、資産価格などが非常識な値上がりをし、経済がガタガタになる危険もあります

ですが、もう、選べません
この道を通っていくしかありません

たとえて言えば
田んぼを育てて稲を収穫するのですが
田んぼをぶっ壊して、稲を巻き上げるのと
田んぼを大きくして、稲の収量を増やすのは違います

今までは、ともすれば、後先考えずに、田んぼをぶっ壊すのをなんとも思っていないことが多かったのです
もう、その選択肢はありません
アメリカが物を買わないのですから、新興国が物を買うしかなく、田んぼをぶっ壊すどころではないのです
田んぼを守り、できれば大きくしたほうがいい
それしか選べないのです

世界バブルをコントロールして、田んぼを育てることに成功すれば、大げさでもなんでもなく、人類はさらなる繁栄のスタートラインに立てます
コントロールに失敗すれば、さて・・、物々交換の世界に戻るのかもですね

これからオバマのやろうとしている金融規制は、なんとしても成功させなければなりません
この程度の理屈は、誰でもわかるのですよ
ま、理屈どおりにいかないのが、人類の歴史であったわけです

皆さんも、日本の経済政策を注意深く見守って、どうか選挙の時は賢明な判断をしてください
金融業界の方は、智慧が問われていることを自覚してください

特に根拠はないですが、僕は、うまくいくのではないかと、結構ポジティブですよ
困難は幾らもあるでしょうが、右肩上がりなら、我慢ができるんですよ

インドに行くと、結構みな明るいのです
これから豊かになる予感があるからです
日本は、失礼ながらインドよりは豊かですが、暗いです
景気が悪く、人口も減りつつあって、右肩下がりだからです

ドルキャリーによる世界バブルは、右肩上がりの世界を作り出し、様々な矛盾を飲み込みながら、世界に大きな変化をもたらすでしょう

進路を見誤らずに、幸せをつかんでください

2010/04/17

これからの世界


リーマンショック後、しばらく世界経済は暗中模索の状態が続きましたが、そろそろ今後のシナリオが見えてきたように思います

先ず、最も重要なことは、ユーロは基軸通貨にならない、ということです
アメリカはだめだ、に始まり、次の基軸通過はユーロだ、産油国はユーロの決済を始めた、各国が独自通貨で決済をする、等々、様々な可能性が取りざたされましたが、ユーロを信用する国はもはや無い、で決着です
ギリシャ問題のなかで、ドイツはギリシャを助けないことがはっきりしました
今後いろいろな展開があるのでしょうが、ユーロには腐ったリンゴが混じっていて、しかも、団結してユーロを強くする意思がないことがわかってしまいました

そこのところから、順次、整理整頓され、世界の経済は、行くところに行くということです

いまままでは、アメリカが世界の消費を引き受けていました
それは、返すあてのない住宅ローンを、住宅が値上がりすることを前提に借りて、その住宅をこんどは担保にして金を借りて物を買うという、とんでもない強欲な消費が世界経済を牽引していました
日本だけでなく中国や、世界の国々がアメリカに物を売って稼いでいましたが、もとをただせばアメリカ人が借金で買っていたわけで、リーマンショックで終わりました

その、消えるべくして消えた消費なのですが、結局はこんどは、景気を各国の内需拡大で支えるしかありません
選択肢は無いのです
これが、二番目に重要なことです

アメリカの金融工学で積み上がった膨大なドルが、好むと好まざるとにかかわらず、基軸通貨にならざるをえません
他に、決済に使える通貨がないのです
その時、天文学的な桁になっているドルの担保は、いったいなんでしょうか

もはやゴールドではありません
ドルの担保になるほどの分量がないのです
では、なにが担保かと言えば、それは、核兵器ではないでしょうか
核武装していれば、なにを言っても逆らえません
金を貸しても取りはぐれがありません
今となっては、最終的な通貨の担保は核兵器しかありません
これが三番目です
だから、日本の円は基軸通貨にはなりえません

これから核武装しようという国は、いきなり核の先制攻撃をうけても、即座に反撃できるだけの核兵器を、最初から準備しなければなりません
核武装するぞ-->それなら、核を30発撃ち込むぞ-->やるならやれ、100発打ち返すぞ
これができないなら、核武装はできません
つまり、アメリカやロシアが1500発も核兵器を持っている世界で、これから核武装することは不可能なのです
コンピューターの中に膨大に積み上がった通貨を担保できるのは核武装した国だけですから、アメリカのドルが最有力にならざるをえません


ユーロは一枚岩にならずギリシャをIMFが支援し、胡錦濤がアメリカにいる時、元の値上げの話題が出(基軸通貨はドル
G7がG20に拡大し(世界の内需が景気を牽引
メドベージェフが、オバマの待つプラハに出てきて戦略核の調印をしたのは、決して偶然ではないのです(アメリカの核兵器が通貨の担保


そこから発想していくしかありません
状況を選べないのです


GDPを拡大するには、政府支出を拡大するか、民間支出を拡大するか、輸出を拡大するか、いずれかしかありません
拡大にともなって、通貨の量も増やさなければなりません
世界のどの国も、もうアメリカが物を買ってくれる時代は終わったのですから、政府か民間の支出を拡大するしかありません

日本の場合は、政府支出を拡大するしかないと思えるのですけどね
また、日本も通貨の量を増やさなければ、アメリカの有り余るドルと釣り合いがとれないのではないでしょうか

普天間の決着も、一皮むけたアメリカと付き合っていくことを忘れてはなりません
日米同盟が存在し、米軍基地があることは、むしろ、アドバンテージではないですか
世界経済を担保する国はアメリカしかないのですから

アジアの経済成長は、するかしないかではなくて、アジアが成長しなければ、世界は真っ逆さまの不景気になってしまうのです
アメリカが物を買う時代が終わったからです
中国14億、インド12億、インドネシア2億、それに資源大国オーストラリアなど、アジアにはこれから伸びる巨大な新興国があります
そのアジアの新興マーケットに地理的に一番近いのが日本です
日本には大きなビジネスチャンスがあるのではないですか



坂本竜馬が活躍し、明治政府ができたのが1868年
それまで日本人はちょんまげを結って暮らしていたのです
そこから、たったの80年で、ゼロ戦を空母に積んで太平洋を渡り、アメリカ太平洋艦隊を全滅させ、ついには負けたのですが
原爆を二つも落とされて、東京や大阪は廃墟になり、そこから立ち上がって東京オリンピックまでが、たったの20年です
そして今では、不動の経済大国です
そんな国は、世界で日本だけです


日本の未来を悲観するほうがどうかしてるとしか思えませんね


人口が減るのを心配するのもごもっともですが、明治の初めの人口は3500万人位ですよ
これで、日清日ロ戦争を勝ったんです

エネルギーも食料も、技術でカバーできる時代です

国の借金を心配する人もいますが、日本では、国の借金は裏返せば国民の貯金ですから、日銀が札を印刷して国債を買い取れば、すぐにチャラになります
そんなことをすればインフレになると叫ぶのかもしれませんが、30年前の大卒初任給は7万円位ですよ、今は20万円位
それが、この先40万円になっても、どうということはないでしょう

なんとかすることは、出来ます
楽観もしませんが、悲観する必要もないと思いますよ

2010/04/04

七葉窟 ラージギル


仏滅後、釈尊の言葉を残すため、弟子が集まって結集が行われました
ここが、第一回の結集が行われた七葉窟(しちようくつ)です

洞窟が7つ並んでいるので名づけられました


奥行きが6kmあると言われてますが、中は真っ暗で危険ですから、奥まで入ったことはありません
今回、入口から少し中に入ってみましたら、ななんと真っ暗闇で、ヨーロッパ系の人が坐禅をしていました
熱心と言うか、不気味と言うか
とにかく、日本人には無い根性です

第一結集の時、釈尊の弟子のうち、悟りを開いた者だけしか呼ばれませんでした
釈尊の従者をしていたアーナンダは、最初、悟りを開いていないということで呼ばれませんでした
せっかく、ずっとつき従って、多聞第一と言われたのに、除外されたのです
ですが、それから、奮起して修業して悟りを開き、結集に呼んでもらえました

お経は必ず「如是我聞」(かくのごとく、われきけり)で始まりますが、結集では、聞いた言葉の統一をしました
教義の整理とか、少数意見の排除とか、しません
キリスト教の公会議とは全く違います

釈尊も、生まれてから、修業して悟りを開きましたが、アーナンダも、全ての仏弟子も、修業をしてから悟りを開きます
生まれたまんまで、出来上がっている、というのは仏教ではありません
やはり、知恵で自分の心を観察することが、絶対に必要だということでしょう

釈尊の当時、どえらい霊能者や超能力者がいましたが、それは、走るのが早い、歌が上手、とかと同じ能力差です
どんなに人と違う能力があっても、自分の心を知らなければ、ただの人です
 
 能力の有る無しや、行為の善し悪し、など、つまりは現世の浮き沈みであって、「悟り」と直接関係ありません

どのように「走るのか」
どのように「歌うのか」
どのように「霊能力を使うのか」
どのように「超能力を使うのか」
が、問題であって、それは自分の心の根源を知っているのといないのとでは全く違います

どれほど多聞第一であっても、心の根源を知らなければ、結集には呼んでもらえないのです

生まれたまんまでは、釈尊ですら、「悟り」は理解できない、ということなのでしょう



2010/04/03

ラージギル温泉


霊鷲山のあるラージギルに、温泉があります
これは、上から眺めた様子

温泉は、露天ですね
インドでは服の上からお湯を浴びるようです
すぐ乾きますから

観光地として賑わっています
この温泉の横の道を上ると、第一結集をした七葉窟に行けます


山を30分ほど登ると、釈尊の当時のマガダ国が一望できます

山に囲まれた盆地です
現在は、インド人ですら夏場暑すぎるので、人は住んでいません
 
この森の中に、ビンビサーラ大王が幽閉された牢屋跡とか、名医のジーバカの病院跡とか、車の轍跡とかがあります
 
山の頂上にジャイナ教のお堂があり、その真下が七葉窟です
10年前は、山に登る人などありませんでしたが、今は、山の上も観光客で賑わっていて、アジャンターにあるような籠かきもいます
 
 
お堂の横の展望台からは、宿泊したラージギル法華ホテルが見えます
多分水脈の関係でしょうか、政府の建物などが立ち並ぶ一角です
ホテルの、ちょうど上の山が七葉窟になります
七葉窟に水が出たので結集地に選ばれたのかもしれません
 
 
レンガの円筒の建物がホテルです
 

2010/04/01

スジャータストゥーパ ブッダガヤ

ブッダガヤから尼連禅河を渡ったところにスジャータが釈尊に乳粥を供養したところに作られたスジャータストゥーパがあります

なんでもない、日干しレンガの山です

現在の尼連禅河は、まったく水がありません
僕が10年位前に来た時は、くるぶし位の水があり、浅瀬を靴を脱いで歩いて渡りました
ガイドのシャルマさんに話したら、ガイドを初めて10年経つが水が有るのを見たことがないそうです
内陸部は温暖化で想像以上に乾燥が進んでいるのかもしれません
二酸化炭素が温暖化の原因なら打つ手もありますが、これは、かなりたいへんですね
この調子では、インドは干乾びてしまいます


遠足ですかね、チベット仏教の小僧さんたちがお参りにきてました
インドでも中国でも、大昔の日本で一休さんがしてたのと同じように、、お寺に小僧で入り、教育をうけ、独身を通し、お坊さんになります
日本の坊さんは、世襲で、しかたなく家業を継ぐように坊さんになる人が多いですから、もう10年もしたら、日本仏教はとことん馬鹿にされるようになるかもですね
10年かからないかな
日本仏教は、空疎な権威主義に寄りかかかるようにならなければいいですけどね




仏跡は観光地化してますから、どこでも、ご覧のようなお土産品を売っています
特産品と言えるようなレベルでないのが、ちょっと悲しい
10年前に比べると、店の数が10倍位増えた感じですね
これから、もっと賑やかになるでしょう