今年度末から、国宝・大門(だいもん)、国宝・多宝塔(たほうとう)、重要文化財・鎮守堂(ちんじゅどう)の屋根葺き替えと保存修理工事を行います
今年に入ってから、こちらのページの更新が滞っておりましたが、交渉事であるため、書く機会がありませんでした
修理の必要性は、すでに県から2001年に文書で指摘されていましたが、10年越しの交渉と準備を経て、このたびようやく事業として形になってきました
写真は、この10年で作製した書類です
左の青い表紙のファイルは、国に2部、県と市と設計管理事務所と寺に各1部の計6部作製されました
事業が終わるまでには、段ボール箱3箱位の書類の山になります
文化財修理は、国・県・市・設計管理事務所との細かい打ち合わせや交渉、そして入札がありますので、逐一内容をお話することができません
まあ、普通の生活では有り得ない世界ですよ
うちは、境内1万5000坪全てが国史跡、建造物3棟国宝、1棟重文、御霊屋と庫裏が県指定と、一歩山門を入れば全てが文化財ですから、指定文化財の修理を、僕は住職になってからもう20年以上やり続けてきました
担当者は、僕より経験の浅い者も多くなりました
一言で言えば、現場は理屈だけでは割り切れません
個人的な裁量や創意工夫が必要です
そこに複数の当事者がいます
そして、日本国と、大げさに言えば人類史に対する責任がありますから、単純ではありません
今回は、いくつか前例のない工法が取り入れられますが、いずれ御紹介できる時があるかもしれません