ベジタリアン考
アンナプルナホテルはネパールで最高級のホテルです
ここでは、特に念を押して頼まないとネパール料理が出てきません
思うに、高級というのは、どこでも似ています
ホテルなど特にそうです
これが、どこか他の国のホテルのレストランだといってもわからないです
貧乏というのは、失礼な言い方かもしれませんが、ユニークで、個性的です
国で言えば、エキゾチックですらあります
都会はどこの国でも、東京や、大阪のような感じで、感激も新奇さもありませんが、田舎は、その土地で全て違います
現代社会は、むしろ無個性な文明なのでしょうね
さて、インドに行くと、先ず飛行機の中で、ベジかノンベジか聞かれます
これは、ベジがベジタリアンで、つまり、精進料理、肉を使いません
ノンベジが肉を使う、我々から見れば、普通の料理
インドでは、ベジが普通ですから、インド方面行きの機内食から違ってきます
ベジは、ヒンドゥー教の教えからくる、宗教的な意味の食事というのが、そもそもの理由です
まあ、仏教も、本来は精進料理を食べるべきで、どこの本山でも、修行中は精進料理です
これは、生き物を殺さない、不殺生からきています
で、インドの本当のカレーは、ベジカレーです
豆ですね、それと全粒粉、あとミルク、バター、ヨーグルトと、人によっては卵を食べます
インドではどこでもベジが普通ですから、肉を食べないと言っても、特に不便はありません
日本なら、かなり神経を使っても、だしに鰹をつかいますから、難しいですね
インドのホテルでは、外国人には、鳥や羊、最近では魚も出ますが、インド人はベジが普通です
ですから、インド人は宗教的に厳格で真面目だ、と言ってもいいんですが、そこはやはり、その国特有の事情もあります
たとえば、インドで普通の家庭で鶏肉を食べるとなると、市場で生きた鳥を買ってきて、自分で殺して羽をむしって調理しなければなりません
冷蔵庫が普及していないし、それよりも、電気が十分にいきわったておらず、停電もしばしばある状況ですから、肉の貯蔵ができないのです
羊を食べるなら、おおごとになりますね
牛は神様の乗り物ですから殺さないし、豚はイスラムで禁じられているので食べません
魚は、内陸部は川が少ないし、海から遠いので手に入りません
ですから、日常で肉を食べるのは、かなりハードルが高いのです
インドでは停電は、場所によっては暗くなってくれば毎日あります
送電線を切って、電気を盗む奴がいるからです
大きなホテルには自家発電がありますから、停電でも冷蔵庫が止まりませんから、肉を出すことができるのです
大陸では、水にミネラルがが多く含まれていて、カルシウムは不足しません
タンパク質は、主に豆から摂ります
それで、間に合うということですね
今回のインド人のガイドさんは、市場で鳥が売られていると「かわいそう」と言ってましたが、まあ、仏教徒である日本人も、グルメなどと言わずに、豆をもっと食べれば、それはそれで間に合うんですけどね
ですが、肉を手に入れるのが容易なので、特になにも考えずに肉を食べているということです
今の日本では、かなりの強い信念を持って努力しないと、肉を食べずにいることはできません
インドでは、たまたま社会的に容易だから、菜食が根付いていますが、これから電気が十分にいきわたれば変わるのかもしれませんね
ラベル: インド仏教聖地巡拝