2011/02/28

一心三観に加筆しました

http://www.chohoji.or.jp/houwa/issinsankan.htm


身近な表現で言えば、理想だけ追求してもダメで、現実だけ重視してもダメなんです

理想と現実、両方あるのが人生です



理想でもない、現実でもない、なにが重要なのかというと、慈悲ではないですか
理想だけ求めて他人を非難し、欠点を探しても、なにも解決しません

現実の利害得失だけ求めても、出口のない堂々巡りが続くだけです
一番大事なのは、理屈でも、辻褄合わせでもありません

両方十分理解したうえで、今、人のために出来ることをすることです
理想を語り現実を知り、そして、苦しみを除き喜びを与えるのです






己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり

2011/02/18

人口が少なくても、日本より豊かな国

スペインの若年層の失業率は42.8%だそうです

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=acPZxnsQCy88

日本の若年層の失業率は9.4%
大卒で就職できないのが大問題になっているけど、比べてみればスペインが洒落にならないのがわかる

スペインの治安がものすごく悪くなってきているのもわかりますね
「スペインの治安」で検索してみてください、何というか、ユーロの夢は夢だったということですかね

そのスペインですが、バブルの時に少子化対策で移民を大量に受け入れたのです
人口の10%位が移民になってしまった
それが、失業率を大きくさせている

日本も少子化対策で移民を受け入れろ、という主張をする人がいるけれど、これまことに勝手な言い分です
経済が調子のいい時は、労働力不足で移民が働き手になる、という理屈だと思いますが、経済の調子が悪くなった時には出て行ってもらうんでしょうか

この先、ひょっとしてTPPが批准されれば、人件費が日本の10分の1の国から、
大手を振って労働者が押し寄せてくる
その上に、移民も受け入れれば、当然、人件費は安くなる
そして、スペインのように、経済の調子が悪くなれば、失業率が跳ね上がる
経営者はリストラで首切りをすればそれで終わりだけれど、日本国内には、移民や若年層の失業者があふれかえる

これは、杞憂ですかね

僕は、先進国全体がデフレ傾向で、経済が縮みますから、人口減で案外とちょうど釣り合うんじゃないかと思ったりしますね
それと、日本より人口の少ない国でも、一人当たりの国民所得が日本より多い国はいくらもありますから、人口減イコール亡国じゃありません

平成18年 OECD諸国の一人当たり国内総生産(名目GDP)(米ドル表示:暦年)

順位 順位 単位:ドル
1 ルクセンブルグ 89,840
2 ノルウェー 71,857
3 アイスランド 53,446
4 アイルランド 51,421
5 スイス 51,306
6 デンマーク 50,791
7 アメリカ 43,801
8 スウェーデン 42,264
9 オランダ 41,020
10 フィンランド 39,796
11 イギリス 39,573
12 オーストリア 39,064
13 カナダ 38,978
14 オーストラリア 37,710
15 ベルギー 37,674
16 フランス 35,572
17 ドイツ 35,368
18 日本 34,252
19 イタリア 31,444
20 スペイン 27,925

上の表で、日本より人口が多い国はアメリカだけかな

人口が少なくても、日本より豊かな国は、実際にいくらでもあるんです
だまされちゃいけませんよ

ちなみに、中国のGDPは日本を抜いて2位になりましたが、内陸にいけば電気のきていないところが、まだ沢山あるんですよ
中国の一人当たりのGDPは、日本の10分の1位でしょう、(統計が信頼できればですが、実感としてはもっと低いと思う)
たしかに、中国にも1割位は金持ちがいますが、特権階級と沿岸部だけです
国のGDP比較は生活実感とは関係無いんです





移民を受け入れれば、当然に多言語多宗教になるのですが、現実問題として、イスラム系の人たちに協調性を求めることはできませんよ
僕はインド社会の苦しみを見てますから

「2010年12月9日(木曜日)


聖地バラナシで爆弾テロ:死者1人、日本人も負傷[社会]


北部ウッタルプラデシュ州にあるヒンズー教の聖地バラナシで7日夕、爆弾テロが発生した。PTI通信などによると、「アルティ」と呼ばれるヒンズー教の祈りの儀式に参加するため数千人がガンジス川岸に集まっていた中で爆発が起き、1人が死亡、外国人6人を含む37人が負傷した。けが人には日本人1人も含まれている。事件発生後、イスラム過激派組織「インディアン・ムジャヒディン」が犯行を認める声明を出した。
http://nna.jp/free/news/20101209inr001A.html


これですね
2010.2.17のバラナシ

こういう状態のところでドカンとやるわけです
日本で言えば、靖国神社の御祭りの日に爆弾テロをやるようなもんですね
 

やはり、世界の様子が様変わりしたんだと思いますよ
歯止めが無くなってしまった

眼先のちょっとした利益のために、移民として外国の人を利用しても、先の先まで面倒みなければならないことをお忘れなく
調子が悪くなったら出てけということになったら、どのような反発を食らうか考えてみてくださいな

安心して子供を生んで育てることのできる環境を整えることは、いつの時代でも大切です
それが、人口を増やして、労働力を確保して、というロジックに、つながらなくても大丈夫なんですよ

人口なんか少なくても、一人当たりでみれば、日本はまだまだ伸びる可能性が大きいんじゃないですか
 
 
 

2011/02/13

舎利礼に加筆しました

舎利礼のページに霊鷲山の話を加筆しました
http://www.chohoji.or.jp/sharirai.htm



仏舎利を礼拝供養することには絶大な功徳があり、その功徳をインド全土に広めるため84000もの数に分骨して立派な塔を建てて礼拝できるようにしました
その塔は今でもインド全土にかなりの数が残されていますが、実際に仏舎利が確認できた塔は数か所だけです
仏滅後、仏教の最終的根拠は仏舎利となりました

アショカ王は、この仏舎利を分布してストゥーパを各地に起てましたが、その第一塔はどこにあるかご存じですか
霊鷲山の、釈尊の香室の上の山頂です

法華経で釈尊は、常に霊鷲山にいると明言し、滅度の後も衆僧と共に霊鷲山に出現すると説いていますが、その香室の背後の山頂を利用して、山全体がストゥーパの様な感じでアショカ第一塔があるのです
霊鷲山のパノラマ写真
左の山頂がアショカ第一塔、右端に釈尊の香室が見える



釈尊の香室遠望

法華経に見宝塔品というのがあって、宝塔の中にお釈迦様と多宝如来が並んで座って説法するのですが、法華経が説かれた霊鷲山にアショカ第一塔があることから、仏舎利信仰が進化したものであることを窺わせますね
法華曼荼羅図 絹本著色 (中央部分)
江戸中期(18世紀) 長保寺蔵


2011/02/09

仏教は自由がいい、とは言わないんです

不動明王像 絹本著色 室町後期 長保寺蔵

自由の女神
自由、平等、博愛
自由主義
言論、表現の自由
自由民主党

など

「自由」は「正義」と同格か、それ以上の値打ちが与えられていると言っていいと思う

でもこれ、書くのもめんどくさいが、勝手気まま、自分勝手、自己中、傍若無人とは違うわけで、自ずから制限が加えられる
自由だからなにをやってもいい、というわけではないのです

仏教では、自由をつかさどるのは大自在天ですけど、これ、大魔王です

どうしようもなく自分勝手な悪さをするので、最後に不動明王に殺されます
それから、転生して生まれ変わって、仏教の守護者になります
大日如来が憤怒の姿を表したのが不動明王で、つまり、ホトケの最大級の怒りでなければ調伏できない位難敵なのが大自在天です

ヒンドゥーでは大自在天はシヴァ神のことです
ブラフマン(梵天)が創造、ヴィシュヌ(毘沙門天)が維持で、シヴァ(大自在天)が担当するのは破壊です
まあ、インド神話的には、自由が世界を破壊する、と

シヴァ神像 インド デリー国立博物館蔵

人間の脳に、自由な発想をする力があるのですが、つまり、これが諸悪の根源にもなるわけで、手前勝手な妄想や、自己中心的世界や、お花畑的思い込みなど、無責任に作り出し続けます

なにをどうしても浮かばれない幽霊は、これからも登場し続けるということですね

それで僕は、「自由」は注釈を必要とする罪作りな言葉でありますので、「創意工夫」という言葉を使うようにしています



自由の力によって、歪みが生じるということになります

人間の感覚器官の不完全さ、あるいは、脳の未熟さもあるかもしれませんが、むしろ、脳の進化によって大脳新皮質が発達し、より大きな自由が獲得されたとも言えるわけで、「人間的な自由」と「人間の根源的錯誤または原罪」はワンセットだと言えます

いずれにせよ、僕らは、自分自身の自由と付き合っていくしかないわけで、「私利私欲を捨てて、まっさらな気持ちで考える」という意味の「瞑想」がどうしても必要になるということじゃないかと思いますね


親が子の将来を思うような純粋な気持ちで、国の将来を考えたら、また、新たな発想もあるんじゃないでしょうか



で、話が飛びますが
過激な自由貿易、TPPのことですけど

中野剛志氏「TPPで日本が滅ぶ」
http://www.choujintairiku.com/nakano1.html

これは動画です


この動画の中に図がありますので引用させていただきます


リーマンショック前は、中国が急成長してアメリカとEUが買い手になっていたのですが、その中国の成長は日本からの資本財の輸入によってなされたということです
で、アメリカとEUはバブルが弾けて買い手になることができなくなるので、この矢印を逆転させなければならない



では日本は、輸出先がなくなって困るかというと、そうでもない
日本は貿易立国で、輸出で稼がなければ食っていけないというのは過去の話で、発展途上国には当てはまっても、もはや日本の貿易依存度は17%で世界で下から3番目です
ここにはありませんが、日本より低い国は、アメリカとバチカンだけです
今の日本は内需立国です
これからは、輸出先が今までのように調子よく買ってくれなくなりますから、益々内需拡大が必要になります


TPPで開国せよ、というのは真っ赤な嘘です
すでに日本の関税は充分に低いです 

TPP参加国のGDP比率で言えば、アメリカと日本で90%になります
日本は、TPP内ではアメリカと商売するしかないのです
で、アメリカに買う力はない
むしろ、アメリカが金融、サービスなどの得意分野をボーダーレスに売り込んでくるしかけです、その相手は日本しかない

日本はアメリカ以外の国に売ろうにも、経済規模が小さすぎる
逆に、ベトナムやメキシコなど低賃金の労働力が日本になだれ込んで、日本の派遣村の炊き出しが繁盛し、経済苦の自殺も増えると



結論は
自由には善し悪しがある、ということです




2011/02/06

標語を手直ししました

創意工夫  相手の立場で考える  あきらめない

長保寺のトップページの標語のマーキーの、「夢を信じる」を「あきらめない」に手直ししました
http://www.chohoji.or.jp/

これ、脳科学に基づいた標語です

創意工夫--->大脳新皮質
相手の立場で考える--->大脳辺縁系
あきらめない--->脳幹

大脳新皮質が人間的な理性や感性とつながっています
大脳辺縁系が動物的な生存本能や感情とつながっています
脳幹が生命維持の根源の恐怖や歓喜とつながっています

ざっくりと
大脳新皮質--->よりよく生きる
大脳辺縁系--->我執
脳幹--->生命への執着

という具合に整理して、それを克服する標語を当てはめると

よりよく生きる--->創意工夫
我執--->相手の立場で考える
生命への執着--->夢を信じる--->あきらめない

なんですが、「夢を信じる」とした場合、その夢とは何かということになり、意味が拡散しますので、もっと単純に「あきらめない」という表現にしました

考え「ろ」、でも、考え「よう」、でもなく、考え「る」という表現なのは、今自分自身がそういう状況に身を置いているという意味が強くなるからです
これ、願望成就のコツでもあります